短大を卒業後、私は給食委託会社に新卒で入社し、病院へ配属されました。
「患者様の健康を食事で支えたい」という思いを胸に、希望と不安が入り混じるスタートでしたが、配属先の現実は想像以上に過酷なものでした。
🕓 4時出勤・21時退勤…休憩もない過酷なシフト
病院の厨房では、早朝4時から夜21時までのシフト制勤務。
さらに、「30分前には出社」が暗黙のルールとして存在しており、それも含めて月のサービス残業は100時間を超えるような働き方でした。
- 出勤時間:4時〜21時のシフト制
- 出社ルール:30分前には職場に到着(=無給のサービス残業)
- 休憩時間:名ばかりで、実質ほぼなし
業務内容:
- 配膳・下膳
- 献立作成
- 離乳食を含む調理
- 盛り付け・加工
- 発注・在庫管理 など
さらに、パワハラまがいの叱責や指導も日常的にあり、
入社してわずか1週間で、ストレスによる全身蕁麻疹を発症。
体も心も悲鳴を上げていました。
🧑🍳 それでも支え合い、仕事にやりがいも感じていた
そんな職場環境の中でも、救いだったのは同期や1期上の先輩たちの存在です。
お互いに励まし合いながら、「患者様の健康を支える」という想いで日々の業務に取り組んでいました。
病院給食では、さまざまな病気や病状に応じて食事の形状・栄養バランスを調整する必要があります。
間違った食事が提供されないよう、栄養士を中心にダブルチェック体制で確認を徹底。責任の重さを感じつつも、それがやりがいでもありました。
💸 手取り10万円・体調不良…転職を決意
どれだけ働いても手取りは10万円台。
サービス残業も月100時間以上となると、生活にも心にも余裕が持てない毎日でした。
最終的には体を壊してしまい、「栄養士の自分が体調を崩すなんて、本末転倒だ…」と痛感。
1年半で退職を決意し、新しい働き方を求めて転職活動を始めました。
🍀 振り返って思うこと
今振り返ると、あの職場での経験は決して無駄ではなかったと思います。
ただ、「やりがい」だけで働き続けるには、限界があるのも現実です。
「自分の健康を守ること」も、専門職として大切な責任のひとつ。
この経験があったからこそ、私はよりよい働き方を求めて動き出すことができたのだと思います。
コメント